第53章 昔話
私が首輪爆弾をつけられてから2日が経った。
零くんは本当に私のそばをほとんど離れず
電話で部下の人達に指示を出したり、パソコンを操作しながら仕事をしたりしていた。
私はずっとガラスの中で過ごしているが
公安の人達が私の為に様々な暇つぶしグッズを用意してくれたので
あまり退屈はしていなかった。
さらに零くんは私と食事の時間も合わせてくれたので
ご飯を食べてる時と小休憩の時は必ず電話で会話をしてくれる。
普段はお互い仕事で忙しいから
こんな風にたくさん話せることが少し嬉しかった。
そしてわたしは今、ガラスの壁にもたれかかりながら地べたに座って
ルービックキューブで遊んだり、知恵の輪をカチャカチャいじりながら
仕事をしている零くんの横顔を見つめている。
真剣な顔で調べ物をしている零くんはすごくカッコよくて
ずっと見つめていても飽きないくらいだ。
そんな時、零くんのスマホが鳴り誰かと電話で話し終えると
彼は私の方を向き、受話器を手に取って私に電話をかけてきた。
『どうしたの?なんかあった?』
「今からここに松田とコナン君がくる。」
『…え、何でコナン君も!?』
「ちょっとな。
……それより美緒、僕の顔に何かついているか?
さっきからずっと視線を感じていたんだが…。」
『ん?零くんがカッコいいから見てただけー。』
「っ…!!何だよそれ…。」
零くんは一瞬驚いた顔をした後
すぐに照れてしまったようで手で顔を隠してしまった。
『あ、ちょっと。隠さないでよ。
私の楽しみ奪わないで。』
「今はだめだ。
情けない顔してるから見られたくない。」
えー……
私は零くんの色んな顔見たいのにー…
顔見えないなぁ…と思っているとエレベーターが動く音がして
コナン君が松田くんと一緒に地下に降りてきた。