第52章 人質
松「美緒、ちょっと見させてもらうぞ。」
『うん。よろしくね。』
私は2人が爆弾を見やすいように、下ろしていた髪を手で上にまとめ上げた。
萩「この爆弾は、2種類の液体が混じると爆発する仕組みになってるんだ。
出来るだけ激しく動かないように気をつけてね。」
松「盗聴器は…付いてなさそうだな。」
さすが爆発物処理班の隊員なだけあるなぁ。
私が関心している最中も
2人は爆弾の写真を撮ったり構造を調べていた…が…
「美緒ちゃんのうなじ、ちょっとセクシーだね?」
「っ!?こんな時に何言ってんだよ萩!!」
「えー?陣平ちゃんもそう思わなかった?」
「そりゃぁ……まぁ…」
「ははっ、思ってたのかよ!」
「…〜っ!!うっせぇな!悪いか!」
「いやー?別に悪くないんじゃない?」
「てめぇのそのニヤけた面、いつかぶん殴ってやるからな。」
…爆弾とは関係のないことも話していた。
『あのー2人とも。もう髪下ろすけどいい?』
萩「うん、もういいよ!ありがとね。」
どうやら2人は言い合いをしながらも
ちゃんと爆弾を調べてくれていたようだ。
もう少し緊張感があってもいいような気がするけど…。
松「美緒…
この爆弾、簡単には外せねぇように出来てる。」
萩「外そうとするとすぐ爆発するように
小さいセンサーがつけらてるからね。」
そんなに高性能な爆弾なんだ…。
こんな爆弾作るなんて、あの犯人は本当に何者なの?
松「手順としては液体の中和剤を用意してから
首輪を外すしかねーな。遠隔操作でいつ爆発するか分からねーし。」
萩「だな。ごめんね美緒ちゃん。
すぐに外してあげられなくて…」
『私は大丈夫だよ!
これをつけられた時から長期戦になることは覚悟してたもん。
それに…2人なら絶対外してくれるって信じてる。』
松「…っ、当たり前だ!!
絶対バラバラに分解してやるからな!」
萩「美緒ちゃんが信じてくれるなら
俺達何でも出来そうな気がするよ。」
2人はそう言って立ちあがり、零くん達にもすぐに外せない事を説明する為ガラスの外に出て行った。