第52章 人質
「поздоровайся с этой пятеркой。
принцесса…?
(あの5人によろしく、お姫様?)」
さっきのお面の人物の狙いは
私じゃなくて恐らく零くん達だ。
犯人の狙いが彼らである以上、頼ってもいいのか迷ったが…
隠し通せる事でもないし、
きっと公安警察なら爆弾が爆発しても大丈夫な場所くらい保有しているはずだ。
女の子と一緒に屋上で数分待っていると
階段を駆け上がる音が聞こえ、
屋上の扉が開き、そこから零くんと風見さんが現れた。
「美緒っ…!!」
零くんはすぐに私の元へ駆け寄り、
わたしの首につけられたものを凝視していた。
「お前の読み通り……これは爆弾だ。」
『やっぱり……。』
風「若山さん、何があったか話せますか…?」
私は零くんと風見さんにこうなった経緯を話し、
面をつけた人物のことを伝えたら、
零くんは犯人に心当たりがあるような反応をしていた。
「風見、
お前はこの女の子を自宅まで送ってあげてくれ。
僕は美緒をシェルターへ連れていく。」
風「…はい。承知しました。」
「お姉ちゃん…
その首輪、危ないものなの?」
『ううん!あー…ただのおもちゃだよ!
ただ外すのに鍵がいるから、今すぐには外せないだけ。
だから大丈夫よ。』
「本当に…?」
『本当だよ!
このお兄さんがお家まで送ってくれるから
あなたは早くママの所に帰ってあげて?』
「うん…。分かった!
お姉ちゃんっ、助けてくれてありがとう!」
私に満面の笑みを向けてお礼を言った女の子は
そのまま風見さんに連れられて屋上から出て行った。
私もその子に手を振って見送ったが、
零くんはずっと悲痛な表情を浮かべていた。
『零くん、そんな顔しないで?』
「…っ、悪い…。」
『それより早くシェルターがある場所に連れてって?
こんなところで爆発したら洒落にならない。』
「美緒……お前怖くないのか?」
うーん……。
怖くないと言ったら嘘になるけど…