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《降谷夢》bonheur {R15}

第52章 人質



「うわーん!!落ちちゃうよー!!」


『大丈夫!
絶対離さないから!!もう少し頑張って!』


女の子を安心させる為に笑顔を作って言っていると
面の人物が私に近づいてきた。



『何が目的!?
どうしてこんな酷いことするの?!』


「…。」


やはりその人物は何も答えず、
2種類の液体が入った首輪のようなものを取り出した。


私の片手は女の子の腕を掴み
もう片方の手は落ちないように手すりを掴んでいる為、
何も抵抗出来ずその変な首輪をつけられ、面の人物は私の耳元で囁いた。



「поздоровайся с этой пятеркой。
принцесса…?」



ロシア語……?



ボイスチェンジャーで声を変えている面の人物は
不気味な声で囁いた後、屋上から出て行った。




『今引き上げるからね…!』

「う、うん!」



女の子の腕を引っ張って引き上げた後、状態を確認したが
特に怪我がなかった事にとりあえず安心した。



『お嬢ちゃん、
どうしてこんなところにいたのか分かる?』

「わ、わかんない…。ぐすっ……
さっきのお面つけた人に会ったら、急に眠くなっちゃって…
起きたらここにいたの……。」


『そっか…。1人でよく頑張ったね?
もう大丈夫だよ。』


「でもお姉ちゃんの首……
なんか変なものついてるよ…?」


『私は大丈夫だから、そんなに泣かないで?
後でちゃんと外すから、ね??』

「うん…っ!」



女の子は助かった事に安心して元気を取り戻してくれたので
私は女の子から少し離れ、自分のスマホをカバンから取り出して電話をかけた。


「美緒?どうした…?
お前が僕に電話をかけてくるなんて珍しいな。」


確かに普段は私からあまり零くんに電話をかけたりしない。
でも今は……かけずにはいられなかった。



『ごめん、ちょっとしくじっちゃって…
……首に爆弾みたいなものつけられた。』

「っ、なに!?今どこだ!?」


『わたしの職場近くにある○○っていう廃ビルの屋上。
爆弾は首輪みたいになっててすぐには爆発しないと思うけど…』

「分かった。すぐに向かう。」



電話を切って零くんが来るまでの間、
先ほど面をつけた人物が言っていた事を思い出していた。


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