第51章 副手
「実はな、俺たちFBIが追っている事件の重要参考人が
六本木にあるカジノに現れるという情報を掴んだんだ。
しかし奴を捕まえる為にはまだ情報が足りない。」
ジ「だからFBIがそのカジノに潜入して、その男を調べる事になったの。
ひょっとしたら、日本のマフィアと接触する可能性もあるかもしれないらしいから。」
マフィアまで絡んできてるなんて…
なんだか凄く物騒な世の中になってきたな…。
「お前には、俺と一緒にそのカジノに潜入してもらいたい。
今日はあくまで情報収集のために盗聴器を仕掛けるだけだ。
簡単な仕事だが、パートナーの女を連れていた方が怪しまれずに済むからな。」
『……怪我をしてるジョディさんの代わりに
私がパートナーを務めればいいってこと?』
ジ「っ、え!?」
「さすがだな。もう気付いていたのか。」
『まぁ、ね…。
ジョディさん、右足を少しだけ引きずって歩いてたから。』
ジ「…Oh!さすが、秀が認めてる女性なだけあるわね!
あなたが一般人だって聞いた時は反対したけど、
安心して任せられそう。」
いや、正直任せられたくはないんだけど!
『秀一くん…わたし潜入捜査なんてしたことないよ?』
「お前は何も気にせず、ただ俺の隣にいればいい。
元々何かしてもらうつもりなんてないからな。」
『……すごく行きたくないんだけど。』
こんなこと零くんにバレたら
今まで以上のひどいお仕置きをされそうだ……。
「心配しなくても、お前の彼氏には許可を得てる。」
…!?なぜ!?
いつの間に!?
「アグバロスの事件で、お前のことを助けてやっただろ?
その借りを返して欲しいと言ったら承諾してくれたよ。」
またそんな脅しみたいなことして…!!
本当にいつか零くんに殺されちゃうよ!?
『……分かったよ行くよ…。
行けばいいんでしょ…。
その代わり!今回のことで借りはチャラだからね!?』
「もちろん。」
ジ「thank you 美緒!」
きっとこんな仕事よりも、
恐らく不機嫌になっている零くんのご機嫌をとる方が大変だ…。
2人から簡単にカジノの説明をされた後、
わたしと秀一くんは車に乗り、六本木にあるカジノに向かった。
カジノは某有名ホテルの地下にあるそうで、一般人は出入りできない仕組みになっている。