第50章 金槌
伊達くんが洗濯機と乾燥機の中を調べていたら
洗濯物の中に混じって血のついた手袋が発見された。
『…変ですね。』
目「?変って、何がだね?」
コ「Tシャツとかの衣服類とタオルはあるのに、
下着や靴下がない……でしょ?美緒さん。」
…さすがコナン君。
毛利探偵と一緒にいつも事件に遭遇してるせいか本当に鋭い。
目暮警部は下着や靴下は使い捨てしているんじゃ…と予想していたけど
さっきゴミ箱を除いたが何も捨てられていなかったし、その線は無さそうだ。
蘭「あのー、そろそろコナン君をうちに連れて帰りたいんですけど。」
頭を捻って考えていると、玄関から蘭ちゃんの声が聞こえてきた。
…あ、しまった。
コナン君連れ戻しにここに来たのに
蘭ちゃん達に何も言わずにいたままだったの忘れてた。
園「あの、美緒さん。
さっき担架で運ばれて行った人もハンマー男にやられたんですか?」
『ううん、たぶんあの人がハンマー男みたい。
さっきの3人の容疑者のうちの1人が
ハンマー男にやられた被害者の関係者で、仕返しするためにここに来たんじゃないかって聞いたよ。』
蘭「えーっ!?
ハンマー男って、かなりの高身長って聞きましたよ?
さっき運ばれた人、170センチすら無さそうでしたけど…。」
コ「それはきっと都市伝説だよ。
他にもネットで100mを11秒台で走るとかかかれてるけど
昨日の目撃者の人、
酔っ払った状態だったのにハンマー男の後をついて行ってここのマンションにたどり着いたんだもん。」
…コナン君はいつの間にそんな話を聞いたんだろう……。
私は不思議に思いながらコナン君を見ていると
彼は突然、靴箱の中に入っていた靴を漁り出した。
『コナン君?どうかしたの?』
コ「…美緒さん。これ見て。
左側の靴に当て革がついてるのはこの一足だけたよ。」
当て革……。
これは確かバイクに乗る人が履く用の靴で
当て革はシフトペダルに当たる靴のつま先を保護するシフトパッドのことだけど……。
……あーっ!!そういうことか!