第49章 火事
消火活動が行われている中、
私と零くんはベンチに座って酸素を吸いながら
救急隊の人に傷の手当てをされていた。
「美緒、悪いがスマホを貸してくれ。
風見に連絡する。」
零くんにスマホを手渡し
ベンチから立ち上がって少し離れた所から電話している彼の様子を見ていると、
手当てを終えた私の元にたくさんの人達が近寄ってきて
1番最初に怒鳴って来たのは松田くんだった。
松「っ、この馬鹿!!
やっぱりボロボロじゃねぇか!!
犯人捕まえてくれたことには感謝するが
無茶するなって何回言えば分かるんだよ!」
『だって…自分の恋人が危ない目に遭ってたのに
助けに行かないわけにはいかないでしょ…。』
松「はぁ……確かにそうだけどよ……
…………まぁ、無事だったからもういい。」
伊「今回は美緒のお手柄だな。
犯人も捕まえてくれたし、指名手配中の殺し屋も倒したんだ。
ありがとな。」
『えへへ。どういたしまして。』
警備員が持っていた拳銃を彼らに渡して少し話していると、蘭ちゃんと園子ちゃんと梓さんも顔を出し
私と零くんを心配してくれていたようで、無事で良かったと言ってくれた。
そして皇さんと葉山も無事に避難できていたようで
私に声をかけて来た。
葉「お前本当にタフだねぇ……。
まじで生きて戻って来てるし。」
『当たり前でしょ…。勝手に殺すな!』
皇「若山さんのお陰で助かりました。
やはりあなたにボディーガードを頼んで良かったです。
ありがとうございました!!」
『困ったことがあったらいつでも言って下さい。
力になりますから。』
葉山と皇さんはそのまま警察の事情聴取に向かい、
私が再び1人になったところで零くんが戻って来た。