第49章 火事
side 降谷
美緒と別れた後、風見にも電話で簡単に報告をし
僕も館内を一通り見回りしたが特に異常はなかった。
しかし、東側の通路を歩いている時に
1人の警備員の男がゴミ箱に何かを入れているのを見かけた。
明らかに怪しい動きをしていたので
僕は男が去ってからゴミ箱に近づき、中を見てみると
そこには爆弾が入っていた。
「あの男…っ!なんでこんな所に…!」
ゴミ箱の中には爆弾単体しか無く、
どうやら遠隔操作での爆発式でここで解除するのは無理だ。
とにかくこの事を早く警察に知らせないと…!
そう思ってスマホを取り出した瞬間、背後から誰かに頭を殴られた。
「…っ、!?」
しまった……
爆弾を見つけた事で完全に油断していた……。
床に倒れて気を失う前に犯人の顔を見ると
そこには黒のドレスを身に纏った女性が笑いながら僕を見下ろしていた。
「…トイレに出て来て良かったわ。
まさか爆弾を見つけられるなんてね…。」
……くっ、そ……
こいつが……例の殺し屋か……!
……早く………美緒に知らせないと…
薄れゆく意識の中で彼女の顔を思い浮かべたが、
僕は意識を保つことが出来ず、そのまま気を失ってしまった……
ーーーーーー……