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《降谷夢》bonheur {R15}

第49章 火事





まさか2階に続く階段がある扉の鍵を持っているとは……。

恐らく警備員だったあの男に合鍵を作らせていたんだろう。




2階の通路に出るとそこはまだ煙が循環していなくて
1階に比べると呼吸はしやすかった。


「さぁ…続きといきましょうか…?」

『…久しぶりに本気でやれる相手に会えて嬉しいよ。』


わたしは着ていたジャケットを脱いで袖を捲り、女に向き直った。


「…楽しませてもらうわよ!」


女は私に向かってきたので構えたら
鋭い蹴りが再び私を襲ってきたがなんとかガードした。


…っ、重い蹴りだな……!
まともに喰らったらすぐやられる!








そのまま互いに攻防を続けて、私達は2人とも同じタイミングで息が上がってきた。


「……はぁ……はぁ…
ここまでやるなんて……想定外だわ…。」

『…はぁっ……はぁ…それはこっちのセリフ……。
でも………






勝つのは私よ。』



「っ!?…うっ…ぐ…!」

わたしは女の顔を殴ろうとフェイントをかけてから
懐に潜り込み鳩尾に渾身の一撃を拳で喰らわせてやるとそのまま気を失ってくれた。



昔、零くんに教わった
フェイントからのボディーブローが上手く決まってよかった…。



わたしは自分が脱ぎ捨てた上着で女の手を拘束し
ポケットにしまっていたインカムを取り出し耳につけると
すぐに大きな声が聞こえてきた。


松「美緒!?お前無事なのか!?今どこだ!?」

『ま、まつだ…くん……。はぁ…声おっきいよ…。
今は……2階にいる。避難用梯子あるから、そこから降りるね…』

松「梯子があるのは…北側の入り口か!
下で待機しててやるから、気をつけて降りてこいよ!?」

『はーい。』


インカムを切って少し休暇してから梯子がある場所に向かい、
下に梯子を垂らしたところで
今度はスマホの着信音が鳴り画面を見てみると、風見さんからの電話だった。












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