第48章 音楽
『演奏会の当日には
わたしの勤め先の同僚がもう1人来る予定です。
彼には演奏会の最中、2階1番端のバルコニー席から1階の客席を見張ってもらいますが、構いませんか?』
目「分かった。そのように話を通しておく。」
目暮警部にお礼を言うと、警部はそのまま部下の人達に指示を出すため控室を出て行った。
『ねぇ、松田くん。脅迫状って見た?』
「ああ。変な犯人だよな。」
やっぱり松田くんもそう思ったか…。
高「?変って…何がですか?
普通の脅迫状だったと思いますが…。」
『皇さんだけを狙いたいなら
わざわざ脅迫状なんか出さずに1人になった所を襲えばいいでしょ?
なのにこんな人が大勢集まるところで狙うなんておかしい。』
松「本当に殺したいなら
普通は警察には知らせるなとか書くだろ?
それがなかったってことは余程自信があるのか、若しくは…
狙いは俺たち警察って可能性もある。」
高「…えぇ!?」
『まぁ、あくまで可能性の話だけどね。』
それでもやはり油断はできない。
脅迫状にはたくさんの命が失われるって書いてあったし
それには観客も含まれているのかもしれない…。
私達が話していると、
リハーサルの開始時刻になりステージへ移動することになった。