第47章 喧嘩
梓「美緒さん?
顔真っ青ですよ…?どうしたんですか?」
『あ……安室さんが………
事故に遭って…病院に運ばれたって……。』
梓「え!?
じゃあ美緒さん!すぐ病院に行かないと!」
……そうだ…
ここでぼーっとしてる場合じゃない…!
私は財布からお金を取り出し机に置いて
そのままポアロを出てタクシーを拾い、病院に向かった。
タクシーの中ではずっと手が震えていて…
震える手をギュッと握り締めながら、零くんの無事を祈っていた。
…お願い……零くん………。
どうか無事でいて……。
目を瞑って手を握りしめたままでいると病院に到着し
タクシーを降りて、救急受付のある入口に駆け込んだ。
誰かに零くんのことを聞こう思い、きょろきょろと人の姿を探していると
近くの診察室の扉が開き、中から人が出てきた。
『れ……安室さん!!』
「え…美緒さん…?何でここに?」
わたしは驚いている零くんの元に駆け寄り身体の状態を見たが、
どうやら怪我は腕に巻いている包帯の箇所しか無さそうだった。
『風見さんから…
安室さんが事故に遭って病院に運ばれたって聞いたの…。』
「いや事故って……未遂ですよ?
子供がトラックに轢かれそうになったところを助けた時に
腕を擦りむいただけです。」
え………
じゃあ何で風見さん、あんな電話してきたの?
一体どういうこと?
頭の中がはてなマークでいっぱいになっていると
ポケットにいれていたスマホが振動し
確認すると風見さんからメールが届いたようだ。
【早く仲直りして下さい。仕事に支障が出ています。】
……。
やられた。はめられた。