第47章 喧嘩
ポアロに到着しドアを開けて店に入ると
久しぶりに会う梓さんが駆け寄ってきてくれた。
梓「美緒さん!
お久しぶりですね!そんなに急いでどうしたんですか?」
『……はぁ…っ、あ……すみません…
安室さんっていますか?』
梓「安室さんですか?
今日はもうすぐここに来ますよ。
…ランチタイムが終わってからの出勤なんです。」
最後の一言だけは他のお客さんに聞こえないように
こそっと教えてくれた。
『…待たせてもらってもいいですか?
お昼まだ食べてなかったので、食べながら待ってます。』
梓「もちろんです!こちらのお席どうぞ。」
梓さんにカウンター席へ案内してもらって
注文したランチを食べ終わり、食後のコーヒーも飲み終わった。
わたしがこの店に来てから約1時間経ったが、
零くんはまだポアロに顔を出さなかった。
梓「おっかしいなー…。
安室さん、いつも遅刻なんてしないのに…
何かあったのかな…?」
確かに…零くんが遅刻するなんてありえない。
寝坊すらしないような人だから、
きっと何かあったんだ…。
そう思っていると、私のスマホが鳴り
画面を見てみると風見さんからの電話だった。
「もしもし?若山です。」
風「風見です。
若山さん、落ち着いて聞いてください。」
『…?はい。』
風「降谷さんが……
交差点で事故に遭い、先ほど病院に運ばれました。」
『……え…………?』
風見さんにそう言われた瞬間、頭が真っ白になり
スマホを耳に当てたまま放心状態でいると、
風見さんから再び声をかけられた。
風「若山さん…大丈夫ですか?」
『あ……はい……
あの………無事、ですよね…?』
風「……今は、米花中央病院にいます。
早く行ってあげて下さい。…では。」
…なんで……無事かどうか言わないの…?
電話が切れたスマホを持ったまま立ち尽くしていると
梓さんが私の異変に気づき、声を掛けてきた。