第47章 喧嘩
side 降谷
美緒と喧嘩をして連絡を取らなくなってから1週間。
僕はずっとイライラしながら仕事をしていた。
「……。」
風「あの…降谷さん…?」
「…なんだ。」
風「若山さんと何かあったんですか…?」
「…別に何もない。」
風「………そうですか…。」
風見を含め周りの部下達は、
僕がイライラしているのをビクビクしながら見ている。
彼らのその様子もなんだか気に入らなくて
僕が机をバンッと強く叩くと、
部下達は肩をビクッと震わせていた。
「お前らちゃんと仕事しろ!
書類の作成もいつまでかかっているんだ!!」
「「「「す、すみません!!!」」」」
…完全な八つ当たりだ。
部下達は何も悪くないのに
美緒が沖矢とかいうあの男と一緒に食事していたということを思い出すと、
僕は怒りを抑えれなかった。
…全く美緒のやつ……。
反省してるのかと思ったら
僕のことを分からず屋だと言って逆ギレして…。
大体美緒は危機感が無さすぎるんだ。
あの男に下心があることなんて誰が見てもバレバレなのに
なんで一緒に食事なんてするんだ。
しかもそこそこ高級なイタリアンだなんて
僕とすら行ったことなかったのに。
考え出すとイライラがさらに悪化してしまったが、
時計を見るとポアロに行かなければならない時間になっていて
僕は気分の悪いまま警視庁を出た。
コインパーキングに車を停めてポアロまで歩いている途中、
小さい子供が1人で横断歩道を渡ろうとしていているのを見かけた。
するとその子供は赤信号なのにも関わらず
てくてくと横断歩道を渡り出し、そこにトラックが向かって走ってきた。
「っ!危ない!!!」
僕はそこに向かって走り子供を抱き抱えた瞬間、
目の前にはトラックがすぐそばまで迫っていた。