第47章 喧嘩
「その喧嘩の原因は僕ですか?」
『…他に誰かいると思いますか?』
「いえ……
ひょっとして、浮気していると疑われたんですか?」
『……。』
「図星でしたか。」
わたしはそのまま何も言わずに俯いた。
…やっぱりわたしが悪かったのかな……。
浮気者呼ばわりされてムカついてたけど、
本当は…
零くんが私のことを信じてくれていないって感じがして
哀しさもあったんだ。
最初から素直にずっと謝り続けていれば
こんな喧嘩しなくて済んだのかな…。
わたしが落ち込んでいると
秀一くんは私の頭に手を乗せてきた。
「怒っていると思ったら急に落ち込んで哀しい顔をして…
そんな顔、あなたには似合いませんよ。」
『…ひょっとしたら彼に嫌われちゃったのかもしれません。
ここ何日かずっと連絡とってないので…。』
「だったら直接会いに行けばいいじゃないですか。
彼、ポアロの店員さんでしょう?」
…確かにそうなんだけど……。
「大丈夫ですよ。彼はあなたが選んだ人です。
ちゃんと話せば許してくれますよ。」
秀一くんにそう言われたら、なんだか無性に零くんに会いたくなってしまったので
私は秀一くんにお礼を言ってからスーパーを出てポアロに向かった。
今日お店にいるかどうか分からないけど…
私は夢中で街中を走った。