第46章 鍛錬
やっぱり素顔で外に出るのは危険なんだな…。
声は秀一くんのままだったけど。
『ごめんね、急にこんなこと頼んで…。』
「気にしなくていい。
俺も葉山くんの誘いをずっと断ってたからな。
いい機会だ。」
わたしはそのまま秀一くんを地下に案内して
先に待っていた葉山が笑顔で私たちに近づいて来た。
葉「赤井さーん!
あ、今は昴さんか!!待ってましたよー!!」
秀「すまんな、ずっと断りっぱなしで。」
秀一くんは羽織っていた上着を脱いで
さっそく葉山に載挙道の技を伝授しているようだ。
私はその近くでトレーニング器具を使い
筋トレをすることにした。
ーーーーー…
数時間が経過し、
休憩なしでずっと教わっていた葉山は
畳の上で大の字になりながら寝そべっていた。
葉「…あーーーーーー!もうだめだ。
流石に疲れて暫く動けねぇ…。」
……そうだろうね。休憩なしでぶっ続けだもん。
秀一くんも多少汗をかいているようだが、
立ったままだし息も乱してないからさすがだと思った。
秀「葉山くんはなかなか筋がいいな。
こちらも教え甲斐があったよ。」
葉「マジっすか!?
おい!若山聞いたか!?褒められたぞ!」
…子供か!!
『あー…はいはい。良かったねー』
葉「お前…棒読みやめろよ!!」
そんな私達の様子を見ていた秀一くんは笑っていて
今日はここまでにしようと、載挙道教室はお開きとなった。