第46章 鍛錬
コール音が数回した後、秀一くんが電話に出た音がした。
秀「美緒か?どうした?」
『急に電話してごめんね。今忙しい?』
秀「いや、大丈夫だ。」
『実はね、お願いがあるんだけど…』
私は秀一くんに
葉山が載挙道を教えて欲しいと言っていたことを伝えた。
私がお願いしたところで変わらないと思うんだけどな…
と、心の中で思いつつ彼の返事を待った。
『…やっぱり無理だよね?
仕事忙しいって言ってたの聞いた。』
秀「いや……。
美緒のお願いなら聞かない訳にはいかないな。
急で悪いが、今からなら時間取れるぞ。」
『え!?今から!?』
わたしがそういうと、
梢さんと葉山は手で○のサインを出していた。
梢「今日は2人とも警護の仕事ないし、
ここの地下室で稽古すればいいんじゃない?」
その隣で、すごいスピードで何度も頷いている葉山。
『…じゃあ、お願いします。
わたしの勤務先の事務所に来てもらっていいかな?
地下に武道場あるから…。』
秀「分かった。すぐ向かう。」
秀一くんとの電話を切り、
これから事務所に来ることを葉山に伝えると
めちゃくちゃ喜んでいた。
葉「やっぱり若山に頼んで良かった〜!!
サンキューな!!俺先に地下で待っとくわ!」
…本当に葉山は秀一くんに憧れてるんだな……。
それから数十分後、
秀一くんは、昴さんに変装した状態で事務所にやって来た。