第45章 治癒
「誰が鬼だって?」
『…零くんしかいないじゃん!』
寝室に着くと、私はそのままベットの上に投げ捨てられて
零くんが覆い被さってきた。
「そんなに僕にお仕置きされたいのか。」
…そんなわけないでしょ!!嫌に決まってる!
でも何を言っても絶対やめる気ないじゃん!
『…お仕置きって……何するの?』
「ここに連れて来たんだから、大体分かってるだろ?
明日から当分美緒に触れられないからな…
……今日は抱き潰してやるから覚悟しろ。」
零くんはそう言いながら、
私の手を取ってそこにキスを落とした。
『ちょ、ちょっと待って!私も聞きたいことある!』
「…何だよ。」
『犯人に追いかけられてる時、
どうして私をあの噴水のある広場に連れて行ったの?』
「美緒が1番行きたがってた場所だろ?
あそこに行けば、思い出してくれるかもって思ったんだ。
半信半疑だったけどな。」
なるほど…。
わたしが1人で納得してると
零くんはわたしの服に手をかけて脱がしていった。
その時の零くんの瞳は
何度か見たことのある野獣のようなギラギラした目付きだった。
記憶がない時は、安室さんとしていつも優しい目付きをしてたのに…。
久しぶりに彼のこの表情を見て体の芯が疼くような感覚がした。
「ちゃんとついて来いよ。」
『…っ……う、ん……
零くんを満足させれるように頑張ります…。』
私を見つめる零くんがかっこよくて
私は零くんの首に手を回して抱きついた。
そしてそのまま零くんに激しく抱かれた。
今回のことで彼にはとても辛い思いをさせてしまったけど
分かったこともあった。
例え記憶を失っても
私はきっと零くんのことを好きになると思うんだ。
何でって聞かれると説明できないんだけどね…
ーーーーー……
激しく抱かれた後、いつの間にか2人とも眠っていて
ふと目を覚ました私は、隣で眠っている零くんを見つめた。
『零くん……大好きだよ。』
彼の綺麗な髪を触っていると、そのまま手を握られた。