第45章 治癒
「そういうのは起きてる時に言ってくれ。」
『…ごめんね、起こしちゃった?』
「いや、少しウトウトしてたけど
美緒が可愛いこと言うから目が覚めた。」
零くんはそう言いながら、
また私の上に覆い被さってきてキスをした。
『…っん…、零…くん…?
あの……また、するの…?』
「当然。少し休憩したから大丈夫だ。」
…私は大丈夫じゃない!!
『でも…明日からまた忙しいんでしょ……?
早く寝て休んだ方がいいんじゃないの…?』
「寝るより美緒を抱いていた方が休まる。」
絶対そんなわけない!!
私が目で訴えても見ていないフリをして
零くんはそのまま私の体に手を這わせて来た。
『……ゃ……あっ…!
零く、んっ…、わたし…も、う…無理……っ。』
「…分かってる。あと1回したらやめるから。」
零くんは私に何度もキスをして
さっきと同じように激しく私を抱いた。
本当に零くんは体力お化けだ…。
銃で撃たれたのなんて気のせいじゃないかって思うくらい
零くんは元気だった。
ーーーーー…
翌日、零くんはいつも通り朝早い時間から仕事に向かい
私も事情聴取をするため、警視庁に向かった。
その後、美和子ちゃんのお見舞いに行ったり
秀一くんに電話で記憶が戻ったことを報告したり…
記憶喪失の間に心配かけた人達のところを順番に回り
お礼と謝罪をしていると、
あっという間に1日が終わってしまった。
そして翌日から私は仕事に復帰し、
記憶をなくす前と同じように生き生きと働いた。