第45章 治癒
『あの、さ…
トロピカルランドに行く約束した時の会話覚えてる?』
「ああ。」
『記憶がない時、その時のことを夢で見たの…。
零くん、園内を予習するって言ってたでしょ…?
でもそんな事させるの悪いなって思ったの。
私に付き合ってくれるわけだし…。』
「…。」
『私が先に行ってリサーチすれば
零くんも楽しめるかなって…。
本当は1人で行くつもりだったけど、やっぱりみんな心配してついてきてくれたの。』
蘭ちゃんと子供達のおかげで
アトラクションのこと知ることができて
いい勉強になったから行って良かったと思う。
今度零くんと行く時が楽しみだ。
話し終えたところで零くんの顔を見ると
やはり彼の口元は緩んでいた。
「…あはは!」
『…〜っ!!笑うな!』
やっぱり笑われた!!
だから言いたくなかったのに!
「全くお前は…なんでそんなに可愛いんだよ。」
零くんはそう言いながら私を抱きしめた。
「僕の事を考えてくれたのは嬉しいが、
危険な目に合ったことに変わりはない。
……お仕置きだ。」
『っ!?なんで!?正直に話したのに!!』
「話したらお仕置きをしないなんて言ってない。」
…っ、この男…!!
何ニヤニヤしながら言ってるんだ!!
『零くんのバカ!鬼!』
わたしの一言で零くんの眉間に皺が寄って
私はそのまま抱き上げられ、寝室に連れて行かれた。