第45章 治癒
「今回の事件でずっと仕事休んでたから
明日からまた当分休みはないと思う。」
『零くんずっと私に付いててくれてたもんね…。
ごめん…。』
「僕が美緒の側にいたかったからいいんだよ。
それに、ヒロと風見が僕の分まで働いてくれてたからな。
あいつらにも美緒の側にいてやれって言われた。」
…あの2人優しすぎる!!
『何かお礼しなきゃ…。』
「そんなのいらない。」
『いや、いるでしょ。』
「お前は普段から僕たちの力になってくれてるから
みんなその恩を返しただけだ。」
えー…。
普通に頼まれたことしてただけなんだけど…。
納得できなくて唸っていると、
零くんが私の頭を優しく撫でてきた。
「それより、美緒に聞きたいことがあるんだが。」
『え?何?』
「何で僕と一緒に行く約束してたトロピカルランドに
先に他の人と一緒に行ったんだ?」
『……覚えてない。忘れた。』
「嘘をつくな。
早く言わないとお仕置きするぞ。」
お、お仕置き…!?
それって前にやられためっちゃ痛いデコピン!?
嫌だ、絶対嫌だ!!
零くんは私の顔にどんどん手を近づけてきて
何かされる前に私は話す事に決めた。
『分かった!話す!話すから!!』
「最初から素直にそう言え。」
…うぅ……。
絶対笑われるんだろうなぁ…。