第44章 追想
コ「2人とも飛ぶよ!」
コナン君の合図で
私達3人は、水が流れている場所に飛び込んで
丸型のボートに着地した。
「息を目一杯吸って!」
『え?』
「早く!」
私が息を吸うと
2人に手を引かれ、水の中に潜らさせられた。
そのままボートは流れていき、
銃で撃ってくる風戸先生から遠ざかる事が出来たので、
私たちは水中から顔を出した。
『あの…安室さん。さっきの…』
私がそう言うと、
彼は自分の口に人差し指を立てていた。
「その話は、また後ほどゆっくりしましょう。」
『あ……はい…。』
水で滴る安室さんの横顔がすごくかっこよくて
こんな状況にも関わらず、私はどきどきしてしまった。
その後
私達は再び地上に戻り、ある場所へ向かって走っていた。
辿り着いた先は噴水のある広場で
広場の中心に向かって階段を降りていると
コナン君が声を荒げた。
コ「っ、後ろ!奴だ!!」
『っ!!』
追いかけてきた風戸先生は私たちに向けて発砲し、
私は安室さんに手を引っ張られ、近くの柱に身を隠した。
風「残念だけどここまでだ。
君たちにはもう逃げ場がないからな。」
コ「くそっ…!」
「…後少しだ。走ろう。」
私たちはそのまま広場の中心に向かって走ったが
その途中で風戸先生が再び銃を発砲し
安室さんの腕を銃弾が掠めてしまった。
『っ!?安室さん!!』
「…っ、大丈夫…。少し掠めただけです。」
風「言ったろ?もう逃げ場はないってな。」
風戸先生が徐々に近づいて来る中
しゃがんでいる私たちを庇うようにコナン君が前に出てきて、風戸先生を睨んでいた。