第43章 危険
蘭「美緒さん?
どうかされましたか?」
『わたし……あそこ知ってる…。』
蘭「トロピカルランドですか?」
『うん…。誰かと約束したの。
いつか一緒に行こうって…。』
蘭「それってまさか…
美緒さん、風戸先生のところに行きましょう。」
蘭ちゃんに連れられて
伊達さん、高木さん、後から来た毛利探偵も一緒に会議室へ行き、
風戸先生に先ほどの事を報告した。
風「なるほど…。
若山さんの記憶は、少し戻りかけていますね。」
『あの…先生。
明日そこに行ってみてもいいですか?』
わたしの問いかけに、みんなは心配そうにしていた。
確かに…また犯人に襲われるかもしれないし
危険な事だって私もわかってる。
でも…
いつまでも忘れたままなんてもう嫌なの。
私のことをいつも気にかけてくれる人達のことを…
いつも私を守ってくれる安室さんのことを…
夢に出てきたあの人のことを…
早く思い出したかったの。
伊「美緒、お前が早くみんなのことを
思い出してぇって気持ちはわかるが…
お前が記憶を失うきっかけになった事件のことも思い出して
また辛い思いすることになるかもしれないんだぞ?」
『正直、わたしも事件のことを思い出すのは怖いです…。
でも……いつまでも怖がってたらだめだと思うんです!』
もっと……強くなりたい。
みんなに守られるだけじゃなくて、
わたしもみんなを守れるようになりたかった。