第43章 危険
side 降谷
美緒が病院に運ばれてから
鎮静剤を投与され、彼女は今眠っている。
今回は、警備をしている高木刑事がいたにも関わらず
その一瞬の隙をついた犯行だった。
それほどまでに犯人は
美緒の記憶が戻ることを恐れているってことか…。
風「幸い、かすり傷だけで済みましたが……
これをきっかけに記憶を取り戻すことを
怖がるようになるかもしれないことが心配ですね。」
確かに…風戸医師の言う通りだ。
このままだと、いつか美緒の精神が壊れてしまうかもしれない。
蘭「ごめんなさい…。
私が…気分転換に電車に乗って
買い物に行こうなんて言い出したから…。
だから美緒さんが…こんな事に…っ!」
コ「蘭姉ちゃんのせいじゃないよ…。
だって美緒さんもすごく楽しみにしてたじゃない!
僕達が暗い顔してたら、美緒さんますます落ち込んじゃうよ?」
「コナン君の言う通りですよ。
美緒さんは本当に優しい方です。
絶対にあなたを責めたりなんてしません。」
美緒は記憶を無くす前も今も変わらず
自分のことより人のことを気にしてばかりだった…。
誰かのせいにするなんてありえない。
そんな優しい心を持った彼女を二度も襲った犯人……
……絶対許さない。
もう守るだけはやめだ。
こちらからも攻めさせてもらう。
僕はコナン君に、話があると言って病室の外に連れ出した。