第43章 危険
1人で悶々としていると
いつの間にか米花駅に到着し、私達は改札口を通り抜けてホームの最前列に並び電車を待っていた。
先に反対側のホームに電車が到着すると多くの乗客が降りてきて
そのすぐ後に、私たちが待っている側のホームにも電車が近づいて来た。
そして、その時………
『…っ、え………っ!?』
ホームに近づいてくる電車を見ていたら
私は後ろから誰かに背中押され、線路に突き落とされてしまった。
『っ、!!』
「!!美緒!!」
蘭・コ「「っ、美緒さん!!」
私の目の前には電車が迫っていて、
ぶつかる…と思っていた瞬間、
安室さんが線路に飛び降りてきて
私を抱えてホーム下に逃げ込み、衝突は避けられた。
「…っ、はぁ…
美緒さん、大丈夫ですか!?」
『あ…大丈夫、です………
っ、あ……安室さん!肘から血が出てます!!』
「これくらい大丈夫ですよ。ただのかすり傷ですから。」
安室さんはそう言いながら笑っていたけど、
私は自分のカバンからハンカチを取り出そうと思ったが、
手が震えているせいで、カバンの中を上手く漁ることが出来なかった。
そんな私の様子を見ていた安室さんは
私の震えている手を握ってきた。
「怖かったですよね。
大丈夫……あなたも僕も、ちゃんと生きてます。」
握られている安室さんの手がすごく温かくて……
助かったことに安心し、急に涙が溢れてきた。
『……っ、怖かった…っ…。
もう……だめかと……思いました……っ……。』
私が俯いて泣いていると、
安室さんは私のことを優しく抱きしめてきて
身体ごと暖かい体温に包まれた。
「大丈夫ですよ。
この先もずっと…あなたのことは僕が守ります。」
安室さんのおかげで少し落ち着いたが
私は突き飛ばされた恐怖により取り乱していたので
そのまま病院に運ばれ、鎮静剤を投与された。