第4章 卒業
side 松田
美緒と飯に行って学校に戻って来た俺は、
自分の部屋のベットに突っ伏していた。
「くそっ…今日告るつもりなんか無かったのに…」
普段の制服とは違う美緒の私服を見たら
柄にもなく可愛いとか思っちまって、
俺と話すあいつの笑顔をずっと見ていたら
もう止まらなくなっちまった。
返事は待つって言ったけど、望み薄だな……。
コンコン
1人悶々と考え事をしていると、扉を叩く音が聞こえた。
「誰だよ、こんな時間に…」
鍵をあけると、そこには萩原が立っていた。
「なんだ、萩かよ。なんか用か?」
萩「うわー機嫌悪いな〜。
美緒ちゃんと飯行くって言ってたから
どうだったのかなー?って。なんか気になっちゃって?」
そう言いながら部屋に入ってくる萩。
…こいつ!めちゃくちゃ笑ってやがる!
「別に…どうもなにも飯食って帰ってきただけだ。」
萩「嘘つけ。
普通好きな子と飯行ったらテンション上がるだろ。
なのになんでそんな不機嫌になってんだよ。」
やっぱり幼馴染のこいつには隠し通すのは難しそうだな……
こいつの勘は昔から鋭すぎるし。
「美緒に………告ったんだよ。
言うつもりなんか無かったのにな……」
萩「なるほどなぁ……美緒ちゃん、
明らかに降谷ちゃんのこと気になってるっぽいし
お前がそうなるのも無理もないか…
言わなきゃ良かったって後悔してるか?」
おい美緒、萩にもお前の気持ちバレバレだぞ。
「いや………後悔はしてねーよ。
まだ返事ももらってねーからな。」
萩「だったら降谷ちゃんに負けないように頑張れよ!
俺は陣平ちゃんのこと、応援するからな!」
「……おう。ありがとな、萩。」
萩「それにしても随分思い切ったな。
好きな奴がいる子に気持ち伝えるなんて。
俺なら怖くて出来ないから、やっぱり陣平ちゃんはすげーよ。」
そう言うと萩原は俺の部屋を出て行った。
「ばーか。俺だって本心はめちゃくちゃ怖いっつーの。」
俺はそのまま寝る態勢に入ろうとしたが
目を閉じると笑ったあいつの顔が浮かんできて
なかなか寝付けなかった。