第4章 卒業
「今日お前に俺の気持ち伝えたのは
ちゃんと知ってて欲しかったから。
だから………返事はまだいらねぇ。」
『あの……えっと…私、ね、恋愛経験全然ないから
なんて言ったらいいのか分かんないんだけど…
いいの?すぐに返事しなくても…』
「ああ。美緒がゼロの事好きなのは知ってるし
だからってお前のこと、簡単に諦めたくねえからな。」
『っ、!?なんで降谷くんだって分かったの!?
言ってないのに!』
「どんだけお前のこと見てたと思ってんだよ。
分かるに決まってるだろ。」
ああああ…
瑞希にもバレてたし、私って分かりやすいのかな…
恥ずかしい……恥ずかしすぎる……
「俺は…学校卒業して警察官になって、どんなに忙しくなっても
お前と一緒にいたいって思ってる。
だから…卒業式の時に返事くれよ。
それまでは待つから考えてみてくれ。」
『……うん。分かった…
ありがとう、話してくれて………。』
「おう。じゃあそろそろ帰るか…
門限までに戻らねーとな。」
帰り道、私達は行く時と同じように
雑談をしながら学校までの道のりを歩いた。
気まずい雰囲気にならないように
松田くんが気を遣ってくれている感じがして
それがとても嬉しかったし安心した。
卒業式まであと2週間。
それまでに自分の気持ちをちゃんと整理しよう決めた。