第42章 居候
萩原さん達に言われて2人を放っておくことにした私は
瑞希さんのお腹が少し膨らんでいる事に気がついた。
『瑞希さん…ひょっとしてそのお腹…。』
瑞「そうだよ。もうすぐ妊娠6ヶ月。」
瑞希さんのお腹には、萩原さんとの子供がいるらしい。
彼女はとても愛おしそうにお腹を撫でていた。
『あの…触ってもいい…かな?』
瑞「もちろん!美緒に触られたらこの子も喜ぶよ。」
瑞希さんにそう言われて彼女のお腹に手を這わせた。
『…元気で産まれてきてね。』
私がそう言うと、お腹が一瞬ポコッと動いた。
『「っ!!動いたっ!!」』
萩「え!?」
瑞「さすが私の子!
美緒に触れられたのが分かったんだね。」
萩「えー…。
俺が触っても全然動かなかったのに!」
『…なんか、ごめんなさい……。』
瑞「美緒は悪くないの。
研二はきっと昔のツケが回ってきたんだよ。」
…?昔のって何だろう…。
瑞「いつも女のケツばかり追いかけ回してたんだよ?
ひどいでしょ。」
萩「ちょっと瑞希ちゃん!?
そんな昔の話しないでよ!!」
瑞「本当のことじゃない。」
…。
萩原さんは、瑞希さんの尻に敷かれているようだったけど
私には2人がすごくお似合いに見えた。
私たちがそんな話をしている最中も、
安室さんと松田さんはずっと言い合いをしていて
さすがにうるさくなってきたのか、
瑞希さんが2人に怒鳴ってケンカを鎮めてくれた。
そして、しばらくの間みんなで話していると
この前病院にもお見舞いに来てくれた少年探偵団のみんなが私を訪ねてきた。
私は松田さん達に挨拶をしてから席を立ち、ポアロを出て
子供達と一緒に毛利さんの自宅に向かった。
その後、店に残ったままの彼らが何を話していたのか
わたしは知らない。