第41章 友情
『あの、昴さん…。
それは冗談で言ってます?』
「僕は冗談でこんなこと言いませんよ。」
えー…。
すごく反応に困るんだけど…。
なんて言い返そうか迷っていると、昴さんは突然笑い出した。
「ははっ、すみません。
少し困らせてしまいましたね?」
『少しじゃありませんよ!』
「そんなに怒らないでください。
でも、怒った顔もまた可愛くて魅力的ですね。」
……チャラい!昴さんって人チャラい!
この人本当にわたしと友人だったの!?
昴さんのことを疑いの目で見ていると
病室の扉がノックされる音が聞こえて
返事をすると、今朝帰った安室さんが再び訪れて来た。
『安室さん!
また来て下さったんですか!?』
「…美緒さんの着替えを持って来たんです。
女性の警察官の方が用意してくれたようなので…。」
『わざわざすみません…。
ありがとうございます!!』
安室さんに頭を下げていると、
私のそばに座っていた昴さんが立ち上がった。
「では美緒さん、僕はそろそろ帰りますね。
お大事にして下さい。」
『あ、はい。
お花、ありがとうございました!』
昴さんにお礼を言うと
彼は私の頭を一撫でして病室を出て行った。
しかし安室さんとすれ違う時、
一瞬だけど睨み合っているように見えた。
…この2人、仲悪かったのかな?
安室さん…昴さんが出て行った扉を
すごく怖い顔で睨んだままだし…。