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《降谷夢》bonheur {R15}

第41章 友情


『…最初の悪口は要らなかったんじゃないですか?』

「あなたが正直に話してもいいと言ったんですよ?」

言ったけど!確かに言ったけど!!
私が少しむくれていると、安室さんは笑い出した。


「そのムスッとした顔、久しぶりに見ました。
やっぱり記憶を無くしても、美緒さんは変わりませんね。」

『…私のこと馬鹿にしているんですか!?』

「ははっ。そんなつもりはないですよ?」

嘘つけ!!

安室さんはどうやら優しいだけじゃなくて
結構意地悪なところもある人のようだ。



そのまま安室さんとしばらく話していると、
再び病室の扉がノックされ看護師さんが中に入って来た。

いつの間にか検査をする時間になっていたらしい。


「じゃあ美緒さん、
僕は一旦帰りますね。またすぐ来ますから。」

『はい!ありがとうございました。』

わたしが頭を下げてお礼を言うと、
安室さんも微笑んでくれて病室から出て行った。


その後は伊達さん、高木さんという刑事さんが交代で私の警護をしてくれていた。

伊達さんとは警察の時の同期で、
高木さんは私の後輩だったそうだ。

彼らにも覚えてないことを謝罪すると、
気にするなと言って私のことを責めたりしなかった。



安室さんから聞いていた通り
私の周りの人達は、本当に優しい人ばかりだった。



私はとても恵まれた環境で毎日を過ごしていたんだな…。






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