第38章 悋気
side 松田
朝6時頃。
気持ちよく眠っていたにも関わらず
うるさいスマホの着信音によって起こされた。
「……誰だよ…こんな朝早くから…」
画面を見てみると非通知。
…こんな時間に非通知でかけてくる奴なんて1人しかいねぇな。
俺は嫌々ながらも電話に出た。
「朝っぱらから何の用だよ。」
「もう6時だぞ。普通はもう起きてる時間だろ。」
まだ、6時だろうが!!
「誰かさんにムカついてたから
寝付きが悪かったんだよ!用がねぇなら切るぞ。」
「…話がある。お前の宿舎の近くにある公園にいるからすぐ来てくれ。」
「はぁ!?おい!ふざけんな……って、もう切ってやがる…。」
俺は仕方なくサングラスだけ取ってジャージ姿のまま部屋を出た。
公園に着くと、
俺を呼び出した張本人である金髪野郎がベンチに座って俺を待っていた。
「…話ってなんだよ、ゼロ。」
「分かってるだろ?美緒のことだ。」
まぁ、こいつが俺をわざわざ呼び出すってことは
美緒絡みの話だってのはなんとなく想像ついたけど。
「この前…美緒を部屋まで送ってくれたんだろ?
その礼をな。」
「嘘つけ。礼を言うような顔してねぇぞ。」
眉間に思いっきり皺よってるしな。
「……単刀直入に聞く。
眠ってる美緒に何をした。」
「…なんだよそれ。
俺が美緒に何かしてるのを見てたみたいに言うんだな。」
「僕がお前の立場だったら、何もしないなんてありえないからな。」
…全くこいつは……
本当にムカつくくらいいい勘してやがる。