第38章 悋気
明日も僕達は仕事があるので
今日はもう寝る事にした。
ベットで2人横になり、僕は美緒を抱きしめた。
『零くん……あの…』
「心配するな。明日も仕事なんだろ?何もしないよ。」
『いや、あの…そうじゃなくて……。』
何か言いにくそうにしている美緒。
顔を覗き込むと、目をキョロキョロと泳がせて恥ずかしそうに少し俯きながら話し出した。
『……今日…まだ一回もキスしてないから…
寝る前にキスしたい。………だめ?』
…そんな可愛い頼み事をされて断る男がいるだろうか…。
正直、今日会った時から美緒にキスするかどうかは迷っていた。
立花とキスしてしまった僕を美緒は許してくれたけど
僕から美緒にキスすることで、
彼女がその光景を思い出してしまうんじゃないかと思って遠慮していた。
「だめじゃないけど……キスしていいのか?」
『うん、したい…。私が消毒する。』
「っ……」
本当に僕の彼女は可愛すぎる……。
僕は美緒の上に覆い被さり、
彼女の柔らかい唇にキスをした。
『んっ……零くん…好き。』
「っ、…ああ……僕も美緒が好きだ。」
『……ん、ぁっ…。もっと……キスしたい…っ。』
……頼むからあんまり煽るなよ…。
「美緒…これ以上キスすると我慢出来なくなる。」
『……ぇっと……いい、よ…?」
「………え?」
『だからっ!我慢……しなくていい…。
もっと零くんに……触れられたいの………っ。』
美緒がそう言った瞬間、
僕の中の理性の糸が切れてしまった感じがして
先ほどよりも激しいキスをした。