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《降谷夢》bonheur {R15}

第38章 悋気


「良かった……。
美緒に嫌われて、
今日は振られるんじゃないかと思ったよ…。」

『そんなわけないじゃん!
零くんが好きすぎて、離れるの無理だよって前に言ったよね?』

珍しく弱気な彼に驚いた。
そもそも零くんを振るなんて、私には絶対無理だ…。
想像するだけで怖いし、きっと耐えられない!


「やっぱり…美緒は優しいな。
お前のそういう所が愛しくて仕方ないよ。」

『…っ!?』


彼のストレートすぎる言葉に照れていると
零くんは私の肩を掴んで距離を取り、真剣な顔で尋ねてきた。


「美緒、一応聞くが
松田とは何もなかったんだよな?」

『え、松田くん??
えーっと……私は覚えてないんだけど、
泣き疲れた私を家まで送ってくれただけだよ?
朝起きたら私はベットで寝てて、
松田くんはリビングで寝てたもん。松田くんって意外と紳士だよね!』


「……。」

零くんは何か考え込んでいるようだったけど
松田くんがどうかしたのかな?
彼にはまた今度改めてお詫びとお礼しようと考えていると
私のお腹が空腹による音を鳴らした。


『あはは、お腹空いてきちゃった。』
「じゃあ何か作るよ。僕もまだご飯食べてなかったからな。」
『私も手伝う!そっちの方が早いでしょ?』
「そうだな。一緒に作るか。」

零くんと2人でキッチンに並び、
一緒にご飯を作っているだけで幸せだなって感じた。



さっきまですごく悲しい気分だったのに
零くんがそばにいてくれるだけですっかり気持ちは晴れていた。




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