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《降谷夢》bonheur {R15}

第37章 待伏





「…っ!?」

松「俺は昨日、美緒と佐藤と3人で飲んでて
佐藤と店の前で別れてから、美緒を送るために大通りにでた。そん時に見かけたんだよ。」

「……。」

松「……お前……マジで何やってんだよ!!
外で誰が見てるのか分かんねぇんだぞ!?
部下の管理くらいちゃんとしておけよ!!」


松田の言う通りで何も言い返せなかった。
不意をつかれたとは言え、
他の女とキスしているところを美緒が見てしまったんだ…。
きっと傷ついたに違いない……。


松「お前がマンションに入っていくところで
俺はお前を追いかけようと思ったが、美緒に止められたんだ。仕事中かもしれないから行くなってな。」

「っ……。」


松「自分は大丈夫だからって………泣きながら言ってた。
全然大丈夫じゃねぇくせにな。」



……美緒…





お前は自分が辛い時でも僕の仕事のことを気にするのか……。

美緒の気持ちを想像するだけで
胸が締め付けられ息が苦しくなった。


松「俺、お前に言ったよな?
美緒を泣かせたりしたら許さないって。」

「ああ…。」

松「本当はお前のことぶん殴ってやりてぇけど
そんなことしたら美緒が悲しむから我慢してやる。
でも……







俺はもうお前に遠慮しないから……覚悟しとけ。」


松田はそれだけ言うと路地裏から出て行った。



一人そこに残っていた僕は
自分自身への苛つきを抑えきれなくて
コンクリートの壁を叩いた。



「…くそっ!!」


なんであの時
誰かに見られているかもしれないことをもっと警戒しなかったんだと激しく後悔した。


自分の彼女に他の女とキスしてるところ見られるなんて…
美緒にとって、これほど残酷な事はないだろう。


ひょっとしたら、嫌われたかもしれないな…。





例え本当にそうだとしても、
美緒にちゃんと説明して謝りたい。


僕はポアロのバイトが終わった後
彼女に会いに行くことを決めて店に戻った。



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