第35章 強盗
その後も何社か会社を周り、最後にオーナーを自宅へ送り届け私の今日の仕事は無事に終了した。
事務所に戻る頃にはもう夜9時を回っており
まだ事務所に残っていた社長に簡単な報告と挨拶だけをして
わたしはすぐに帰宅することにした。
帰り道、スマホを確認してみると零くんから着信が一件きていた。
掛け直そうか迷ったけど、
今日は仕事中に余計な事を考えてしまったせいかすごく疲れていたし、
零くんの名前を見ただけで
立花さんと腕を組んで歩いていた光景を思い出して胸が苦しくなった。
とても電話する元気はなかったので
アパートに着いてから帰宅したことの報告と、
仕事で疲れたからすぐ休むという内容のメールを送り
お風呂に入った後、わたしはすぐにベットに潜り込んだ。
明日は休みだし、特に予定もなかったから
久しぶりに愛車のアウディで気分転換にドライブでもしようと決めて
目を瞑ると、あっという間に深い眠りに落ちた。