第34章 特訓
……恋の、ライバル…??
それって…零くんの事が好きで狙ってるって事…?
だから尾行中も私のこと睨むような視線で見てたの…?
更衣室で喧嘩ふっかけてきたのもそれが理由…?
『風見さん。
立花さんは…零くんが好きなんでしょうか…。』
風「…そう…みたいてすね…。」
歯切れの悪い風見さん。
…この様子だと知ってたな!?
『私が…零くんの恋人なのは知っていますか?』
風「恐らく気づいていますね。
降谷さんに若山さんとのことは内緒にしてくれと頼まれましたが
あの人はあまり隠す気がなさそうですので。」
じゃあやっぱり立花さんは
私が零くんの恋人だと知ってて喧嘩を売ってきたのか……。
『……ムカつく……。風見さん、相手して下さい。』
風「えっ…あ、はい…お願いします。」
風見さんと向き合ってすぐ彼の襟元を掴み、足を払って転倒させた。
『……次の人!』
「「「は、はい!!!」」」
立花さんの言葉で私はかなりむしゃくしゃしてしまい
公安の刑事さん達を投げて投げて投げまくって
空手で相手をした人は、容赦なく蹴りまくった。
風「若山さん、あの…もう少し手加減を……」
『手加減なんかしたら特訓の意味ないですよね?』
風「確かに…そうなんですが……。」
『そちらの女性捜査官のせいで、私は非常に虫の居所が悪いんです。スッキリするまで付き合ってもらいます。』
その後も交代で何人かの公安刑事が来たので
わたしは容赦なく蹴ったり突いたり投げたりを繰り返した。
全員の相手をし終わったところで周りを見てみると
ほとんどの人達が寝そべっていたので少しやり過ぎたことを反省した。
たくさんの人数を相手にした事で多少気は紛れたが…
やはりすぐ思い出してしまうのはさっきの立花さんの言葉。
『恋のライバル………
やっぱりムカつくーーー!』
私が叫ぶと、公安の捜査員達はビクッと肩を揺らしていた。
かなりモヤモヤが残っていたが流石に疲れたので
彼らの方を向き
『帰ります、お疲れ様でした』と告げて私は体育館を後にした。