第32章 拉致
「今は安室透という偽名を使っていますので
外で会った際はその名前で呼んでください。
それと、念の為あなた方にも公安の捜査官を何人か警護に当たらせます。組織の連中が狙ってくる可能性もあるので。」
零くんがそう話すと
社長達はみんな納得してくれたようだった。
『私のせいで迷惑かけてごめんなさい…。』
梢「もうっ!美緒ちゃんのせいじゃないんだから
謝らなくていいの!
それより!この事が解決するまで絶対外に出ちゃだめよ!?」
葉「でも家に帰るのは危険じゃないですか?」
葉山の言う通りだ。
私の職場はバレていたようだし、
恐らく家も知られているだろう…。
秀「それならこの家にいればいい。
俺が側にいて守ってやれるからな。」
「ふざけるな!
お前と美緒を一緒に居させるわけないだろ!」
……。
やっぱりこの2人仲悪いな……。
確かに秀一くんの側にいるのは安全だと思うけど
零くんがそれを許すなんて到底思えない。
東「じゃあ…うちの会社名義で借りてるマンションにするか。
あそこなら警備もしやすいし、セキュリティも万全だからな。」
社長の案に全員賛同したので
私はこの件が片付くまでそこで暮らす事に決まった。
そしてそのまま社長と梢さん、葉山は
公安の捜査官の護衛付きで先に帰って行き、
私と零くんはそのまま残り、
秀一くんと今後どのように組織を潰すか考えていた。