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《降谷夢》bonheur {R15}

第32章 拉致



インターホンが鳴り、
秀一くんが立ち上がって玄関に向かった。

誰が来たんだろう?と考えていると
秀一くんはすぐリビングに戻ってきて
彼の後に続いて、少し怖い顔をした零くんが姿を現した。

目が合うと、彼はすぐに私の元に近寄ってきた。


「美緒……!その腕…怪我したのか?」

『大丈夫だよ。ただの擦り傷だから。
それより何でここに……?』

零くんが私の腕を取って包帯が巻かれているところを優しく撫でていると、私の質問に秀一くんが答えた。


秀「さっきここで話した事は彼にも聞いてもらったんだ。
これを使って電話してな。」

そう言って取り出したのは私のスマホ。


…っ!?いつの間に!?

内ポケットに入れていたはずだったが、
恐らくさっきハグされた時にすられたんだとすぐに分かった。


『ごめん……心配かけちゃったよね。』
「いや……。
美緒が狙われることに気づかなかった僕の落ち度だ。
悪かった……。」


…零くんは何も悪くないのに……。
そう言おうとしたら零くんは立ち上がって
社長と葉山、梢さんに頭を下げていた。

「美緒を助けてくれて、ありがとうございました。
警察庁警備局警備企画課の降谷零と申します。
僕は…彼女の恋人です。」

零くんが自分の本名を名乗ったことに驚いていると、
東社長が口を開いた。

東「若山を公安警察の協力者に引き入れたのは君だろ?
まさか、若山の恋人がゼロとはな。」

「ご挨拶が遅れて、申し訳ありません。」

東「簡単に身分を明かせる立場じゃないのは分かってるから気にしなくていいよ。」

『社長は……ゼロをご存知だったんですね。』

東「長い事生きているとな、
色んな知識が勝手に身につくんだよ。」

社長は少し笑いながら言っていた。
確かに私より長く生きてる分、人生経験は豊富なんだろうな…。



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