第31章 襲撃
「ぐはっ!!」
少しずつ男達にダメージは与えてるが
それでもよろつきながら何度も立ち上がってくる。
「思ってたよりもやるなぁお前。」
タトゥーの男はニヤニヤしながら傍観しているだけで
このまま長期戦になると不利になると思い、
私は一旦走って逃げる事にした。
「待ちやがれ!!」
「逃がすな!!追うぞ!!」
私は路地裏に入り、男達を撒くために走り続けたが
最悪なことに応援を呼ばれたのか
前と後ろを男達に挟まれてしまった。
『はぁ…女1人相手にこの人数…
随分みっともないことするのね。』
…こいつらのせいで
コンビニで買ったアイスも落としちゃったじゃん!!
男達は私の言葉に返事もせずにジリジリと歩み寄ってくる。
やばいなぁ……と思っていると
男達より少し後ろからこちらに向かってくる人影が見えて…
その人物はわたしがよく知っている男だった。
「おう、若山。お前モテモテだな!
ナンパでもされてんのか?」
……わたしの同僚の葉山だった。
『ナンパなわけないでしょ!?馬鹿じゃないの!?』
「なんだ、違うのか。
じゃあ俺も……退治するの手伝ってやるよ。」
葉山はそういうと、
向かってくる敵を1人、また1人と倒していった。
私も葉山がいる方とは逆の男達を
再起不能になるまで倒していった。
最後の1人の男を思い切り蹴り飛ばすと
コンクリートの壁まで吹っ飛んでいき
背中をぶつけてそのまま気を失った。
「……お前の蹴り、相変わらずの威力だな…。」
『はぁ…はぁ……。
それより!なんで葉山がここに…?』
「詳しい話は後。とりあえずここから離れるぞ。
社長がすぐ近くまで車回してくれてるから。」
葉山と一緒に走り出し、路地裏を出たところに
ちょうど社長の車が停まっていた。