第31章 襲撃
手首に……
土星の、タトゥー…?
『っ、あ!』
以前、秀一くんから言われた言葉を思い出した。
土星のタトゥーを入れた人物を見かけたら警戒しろ…と。
私はコンビニを出てすぐにスマホ取り出し
事務所に向かいながら秀一くんに電話をした。
以前コナンくんから秀一くんの連絡先を事前に聞いていたので登録しておいたんだ。
……零くんにバレたら怒られそうだけど…。
数回コール音がした後秀一くんが電話に出てくれた。
「美緒か?どうした?」
『土星のタトゥーを入れた男を見かけたの。
仕事場の近くのコンビニで。』
私がそう伝えると秀一くんは息を呑み、声を荒げた。
「…っ!美緒、今すぐそのエリアから離れろ!」
『え?』
私が聞き返すのと同時に
歩道を歩いていた私のすぐ横の車道に車が止まり
複数の男達がぞろぞろと車から降りて来た。
7人……いや、8人か。
服装や雰囲気からして一般人とはとても思えなくて
1人で相手をするにはキツい人数だった。
スマホを通話中のまま内ポケットにしまい、
男達が私に少しずつ近づいてきて後退りをしていると
先ほどコンビニでぶつかったタトゥーの男が
再び姿を現した。
「若山 美緒だな。
大人しく一緒に来てもらえるか?」
『嫌だ、と言ったら?』
「…ふっ、気の強い女だな。………やれ。」
タトゥーの男の合図で男達は私を捕えようと
一斉に襲いかかって来た。
『……くっ…!』
…流石に8人相手にするのはキツくて
正直攻撃を避けるだけで精一杯だ。
それでも隙を見つけた時には、
男達の腹を殴ったり、蹴りを喰らわしたりしていた。