第29章 妊娠
瑞「全くあんた達は!揃いも揃って勘違いして!
美緒に迷惑でしょうが!!」
『瑞希、落ち着いて…?
あんまり興奮すると、お腹の子もびっくりしちゃうよ。』
美緒にそう言われると
瑞希はしぶしぶソファーに座り直した。
伊「まさか瑞希が妊娠とはな…。
しかも相手が萩原か…。」
松「あいつ、最近女遊び減ったと思ったら
本命は瑞希だったのかよ。納得。」
松田がそう言うと、瑞希は少し嬉しそうだった。
2人は別に付き合ってる訳じゃなかったらしいが
どうやら2人は両思いだったようだ。
松「萩は今日夜勤だからここに来られないけど、
早く報告してやれよ?」
瑞「…ん。分かってる。
…それより!あんた達も美緒の噂のこと
誤解だってちゃんと言いなさいよ!?」
伊「おう…。美緒、勘違いして悪かったな。」
松「せっかく色々買って来たのになぁ…。」
『そういえば、2人とも何買って来たの?』
美緒の言葉で2人が持って来た袋の中を見てみると
ベビー服や赤ちゃん向けのおもちゃ、
絵本などがたくさん入っていた。
瑞「あんたら気が早すぎ!馬鹿じゃないの!?」
松「ああ!?早いに越した事ねぇだろ!」
瑞「ベビー服はせめて性別わかってからにしなさいよ!」
松「…備えあれば憂いなしってことだ。」
松田と瑞希は僕達が止めるまでしばらく言い合いを続けていた。
しかし美緒は2人の言い合いに興味ないのか
松田と班長が持って来たベビー服やおもちゃを
可愛い可愛いと言いながら1人で袋を漁っていた。
『ねぇ零くん見てみて!
この服とこの靴こんなにちっちゃい〜!
あ!これもめっちゃ可愛いー!!』
…。
僕はそんな風にはしゃいでいる美緒の方が可愛いと思った。