第29章 妊娠
本当に妊娠してるのか…?
何かの間違いだろう……
ちゃんと避妊はしていたし…
いや、それも100%じゃないんだが……。
…考えれば考えるほど分からなくなる。
そもそも本当に妊娠していたとしたら
なんで僕に言わないんだ?
まさか黙って堕ろそうとしているとか…?
もしくは別の相手、との子……?
嫌な考えが頭に浮かんでしまって
僕は机に頭をゴンっとぶつけて突っ伏した。
風「……ふ、降谷さん??」
「……悪い。気になって仕事に集中できない。
…すぐ戻る。」
電話で美緒にそれだけ確認しよう。
もし違うなら残念だが、本当なら喜ばしいことだからな。
僕は美緒に電話をかけたが、
電源が切れているのか繋がらず…
再び部屋に戻り、風見に声をかけた。
「風見、美緒と連絡が取れない。
GPSの反応はどうなってる?」
風「現在の位置は……ご自宅のようですね。」
「分かった。
何かあったかもしれないから、念の為確認してくる。」
風「え!?ちょっと、降谷さん!?」
風間の声は今の僕には聞こえてなくて
そのまま走って警視庁を出て
車で美緒のアパートへ向かった。