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《降谷夢》bonheur {R15}

第29章 妊娠


『彼氏じゃないって言ってたけど…
いつの間にそんな関係に…?』

「仕事帰りにたまたま会って2人で飲みに行った事があったの。
それから何回か飲みに行って、
流れでそのまま…って感じかな。」

そう話した瑞希の顔は、
今まで見た事がないような切ない顔をしていた。


……そっか………。瑞希はきっと……


『萩原くんのこと、好きなんだね。』
「…うん。好きだから、困らせたくないの…。」

…そんなのおかしい。
きっかけはどうであれ2人の子供なんだから
絶対に話すべきだよ……


『産んでからもずっと黙ってる気?
瑞希が言わないなら私から萩原くんに話すよ。』

「っ!?やめてよ!!
あいつに嫌われるの…怖いんだよ……。」

『萩原くんがそんな事で嫌うような人じゃないって知ってるはずだよね?
……瑞希、逃げちゃだめだよ。
私の知ってる瑞希は逃げたりなんかしない!
もし萩原くんが瑞希を傷つけたりしたら、
わたしが思い切り殴って回し蹴り喰らわしてボコボコにする!』


まぁ、萩原くんは女の子大好き人間だから
傷つけるようなことはしないと思うけど…。

「あんた……そんなことしたら暴行罪で捕まるよ。」
『瑞希のためなら捕まってもいいよ。気にしない。』
「ばか……降谷が泣くよ?」

…それは困る。
じゃあ背負い投げくらいで勘弁してやろう。


「私、ちょっとマタニティブルーで病んでたわ…。
今度時間作ってあいつにちゃんと子供出来たって話すよ!」

『うん!体、大事にしてね。
もう瑞希1人の体じゃないんだから!」

「そうだね!
あいつが受け入れてくれなくても
私にはこの子がいる。それだけでなんでも頑張れそうだよ!」


そう言い切った瑞希の顔は
もう迷いなんかない顔付きに変わっていて
やっぱり女性は母親になると、強くなれるんだなって思った。


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