第29章 妊娠
『……大変そうだね、瑞希。』
「まぁ、大変だけど仕事は楽しい。
すっごくやり甲斐はあるからね。」
私も昔はSPにやり甲斐を感じて
がむしゃらに頑張ってた時期があったなーと思い、
そのまま瑞希に警察を辞めた理由も話した。
瑞希は黙って聞いててくれて
最後には、話してくれてありがと。とお礼を言われた。
『ずっと言えなくてごめんね。
重かったよね、こんな話…。』
「なんで謝るのよ…。
美緒は何も悪くないでしょうが!!」
……相変わらず瑞希は怒ると迫力があるなぁ、と
わたしはつい昔と変わってない瑞希を見てニヤついてしまった。
「何笑ってんのよ!
あんたに一つだけ悪い所があったとすれば、
私達になんの相談もせずに音信不通になって勝手に居なくなったこと!今度また同じことしたら許さないからね!」
『ははっ。分かってるよ。ありがとね、瑞希。』
「……本当にわかってるんでしょうね…。」
瑞希はジト目で見てきたけど、
約束します!と宣言したら納得してくれた。
瑞希が私のアパートに来てから数時間…
2人で色々なことを喋ったけど
わたしは一つ気になったことがあり
瑞希に聞いてみることにした。