第28章 退院
伊「悪いな、急に来ちまって。」
『いや、それは全然いいんだけど
2人揃ってどうしたの?』
松「決まってんだろ?
美緒の退院祝いに来たんだよ!」
…いやいや、そんなの気にしなくていいのに!
わざわざ来てくれたのに追い返すのも悪いから
わたしは家の中に2人を上げることにした。
片足でちょこちょこ歩きながら2人をリビングに通して
適当に座ってもらった。
『今、零くんがスーパーに買い物に行ってるから
もうすぐ帰ってくると思うよ。』
伊「そうか!あいつに会うのは3ヶ月ぶりくらいだな。」
『そうなの?ポアロに行けば会えるのに。』
松「あんまり頻繁に行くとあいつ怒るんだよ。
ニコニコしてる安室透が面白いから、俺いつも笑い堪えるのに必死。」
……そりゃあ来て欲しくないって思うわ…。
伊「それにしても、美緒の家初めて来たけど
割と広いんだな!」
『うん。ここのアパート駅から少し離れてるし
広さの割に家賃安いんだよ。』
松「俺の住んでる宿舎の3倍はあるな。」
『宿舎と比べないでよ!』
3人で話し込んでいると
玄関が開く音がして、零くんが帰ってきたんだと分かり
足音が徐々にリビングへ近づいてきた。