第27章 見舞
そしてなんと、
零くんの部下の風見さんも私のお見舞いに来てくれたから驚いた。
『忙しいのにわざわざ来てもらってすみません…。』
「いえ、降谷さんからあなたの様子を見てきて欲しいと頼まれていますので。」
それでもちゃんとお見舞いの品を持ってきてくれたし
理由がどうであれ、来てくれたことは嬉しかった。
「ちなみに退院の日は降谷さんが来てくれるそうですよ。」
きっとわたしの退院する日に来れるように
今頃仕事を片付けているんだろうな…。
『退院の日は予定通り3日後です。
零くんに伝えて頂けますか?』
「分かりました。では私はこれで。
お大事にして下さい。」
『はい。ありがとうございました!』
私がそう言うと、風見さんは頭を下げて帰って行った。
零くんも何回かお見舞いに来てくれたけど
やっぱり忙しそうで、滞在時間はいつも5分くらいだった。
無理して来なくていいから少しは休んでって伝えたけど、
「美緒の顔を見た方が癒される。」
…なんて言われたから、私は何も言えなくなってしまった。
私が気にしないようにそう言ってくれたのかもしれないけど…
私も零くんの顔を見ると癒されていたから
彼も一緒なんだなって分かって嬉しかった。
体の傷もほとんど良くなり、退院まであと3日。
早く家に帰りたいなーと思っていると
病室のドアがノックされた音が聞こえた。
もうすぐ面会時間終わりなのに誰だろう…?