第27章 見舞
『……。悪いけど、これ全部返して来て。
こんなにもらっても退院する時持って帰れないから。』
佐「せっかく持って来たのに!
遠慮なく貰っちゃえばいいじゃないですか。」
『みんなには、お見舞いの気持ちだけで十分だからありがとうって伝えておいて?これはみんなに返すか、どこかに寄付してあげて。」
流石に捨てるのは勿体無いからね…。
高「分かりました!
あ、これは僕と佐藤さんからのお見舞いです。」
そう言って高木くんは
私の好きな砂糖が入っていない紅茶の飲み物を渡して来た。
『2人ともありがと!
私の好きな飲み物覚えててくれたんだね!』
佐「当然です!無くなったらいつでも言ってください!
たくさん買って来ますから!」
……これだけあれば退院まで待つと思うから大丈夫なんだけど…
それでも2人の気持ちが嬉しくて何度もお礼を言っておいた。
2人もまた仕事を途中で抜けて来たらしく、
持ってきたダンボールを抱えて長居せず帰って行った。
それから退院までの間、
私が退屈しないように
色んな人が何回かお見舞いに来てくれた。
私の友達、瑞希も仕事が忙しい中来てくれて
私のボロボロの姿を見て
生きててよかった、と泣きながら喜んでくれて
私ももらい泣きするくらい嬉しかった。
たぶん瑞希は、松田くん達の誰かに聞いて
わざわざ来てくれたんだろうな…。
退院したら、私の家に遊びに来る約束をして
彼女は仕事に戻って行った。
話したいことがたくさんあるから
私は瑞希にまた会うのが楽しみで仕方なかった。