第26章 救助
……!…………!…い!…美緒…!
誰、だろう…………。
誰かに…名前を呼ばれている気がする……。
あぁ、そっか…
私また気を失っちゃってたんだ。
「おい!美緒!頼むから目を開けてくれ!」
私はなんとか意識を取り戻そうとして瞑っていた目を開けると、助けに来てくれたと思われる零くんの顔が視界に入った。
『……ん…、れ、い……くん…?』
「美緒!…っ、よかった…!」
私と目が合った零くんは、そのまま私と額を合わせて
無事で良かった…、と言ってくれた。
萩「美緒ちゃん大丈夫!?
待っててね!すぐ足元の瓦礫退かすから。」
どうやら萩原くんも一緒みたいだ。
徐々に頭が覚醒してきたので、2人にコナン君のことを伝えた。
『コナン君が……蘭ちゃんを助けに、
あっちの方に行った、の…。』
私はコナン君が向かった先を指差して
2人に彼らを助けて欲しいとお願いした。
萩「またあのボウズか…。はぁ、俺が行くよ。
降谷ちゃんは美緒ちゃんを連れて先に避難しててくれ。」
降「…分かった。頼むぞ、萩原。」
萩原くんは頷くと
1人でコナン君の向かった先へ行ってしまい
零くんは黙々と私の足元の瓦礫を撤去していた。
『零くんも行ってあげてよ。私は大丈夫だから…。』
「……っ、馬鹿かお前は!!
僕が美緒を置いて行けるわけないだろ!」
『…馬鹿って…そんな風に言わなくてもいいじゃん…』
「馬鹿だよ。大馬鹿だ。
こんな時に人の心配ばっかりして……。
少しは自分の心配しろよ……。」
あはは、さっきコナン君と同じこと言われたな。