第3章 監禁
所謂口移しというやつだが、
この時は彼女を助けたい一心で恥ずかしさは全くなかった。
ごくっと液体を飲み込んだことが確認でき、唇を離すと
美緒はうっすらと目を開けて意識を取り戻した。
『…降谷、くん…?それに、みんなも…。
もしかして、助けに来てくれたの…??』
降「ああ、みんなで探したんだぞ。
全く、世話焼かせるなよ…心配した…。」
松「本当に人騒がせなやつだよお前は!
ったく……怪我がなくて良かった…」
伊「本当に無事でよかった。お前、脱水症状で倒れてたんだぞ。
ほら、もう少し水飲んどけ。」
萩「瑞希ちゃんがね、
美緒ちゃんがいなくなったー!って探してたから
俺らも一緒に探してたんだよ。」
諸「彼女は今、君をこんな目に遭わせた犯人を捕まえに行ってるよ。
後で合流するから心配しないでね?」
美緒はまだ少しぼーっとしている様子だが
顔色は徐々に戻って来たから、あとはゆっくり休めば大丈夫だろう。
『そっか…。みんなごめんね。心配かけて…。
…助けてくれてありがと……。』
降「約束しただろ?
何かあったら絶対駆けつけるって。僕達は君との約束を守っただけだ。」
萩「そうそう!美緒ちゃんは何にも悪くないんだから
謝らなくてもいいんだよ?」
萩がそう言いながら、彼女の頭をポンポンと撫でると
美緒は恥ずかしそうに下を向いていた。