第26章 救助
「もし…美緒にもしもの事があったら…
僕がお前を殺しに行く……!
どんな手段を使ってもな……。」
森谷氏の胸ぐらを片手で掴み引き寄せて睨みながら呟くと
彼は僕の目を見てビクッとしていた。
そのまま乱暴に手を離して、僕は出口に向かって走り出した。
後ろから僕を呼ぶ声が聞こえたけど
無視して急いで現場に向かった。
「待ってろ美緒…すぐに助けに行くから…
……死なないでくれ…!」
交通規制が張られているギリギリのところまで車を走らせ
そこからは車を降りて走ってビルに向かった。
現場に到着すると救助隊が慌ただしくしており、
僕は彼らの目を盗んで
ビルの中に入れそうな入り口を見つけ、建物に侵入しようとした。
しかし、それに気づいた誰かが僕の肩を掴み、引き止められてしまった。
萩「誰かと思ったらお前かよ!
こんな所で何してんだ!危ないから離れてろ!」
肩を掴んだのは萩原で
恐らく爆発物処理班も出動してきたんだろうなとすぐに察しがついた。
「萩原……美緒がまだ建物の中にいるんだ!
悪いが手を離してくれ。」
萩「っ!?それ、本当なのか…?」
「ああ。電話で確認したが今はもう繋がらない。
僕は美緒を助けに行く。」
萩「待てって!
お前1人で行かせるわけないだろ?
…俺も一緒に行くよ。」
「…いいのか?
そんな勝手な行動したら始末書ものだぞ。」
萩「美緒ちゃんは、俺にとっても大事な友人だ。
始末書なんて何枚でも書いてやるさ。」
そう言いながら僕の頭にヘルメットを被せてきた。
……。
萩原は相変わらず、人が良すぎるな。
「ありがとな、萩原。…急ぐぞ。」
萩原に感謝の言葉を述べ、僕達は2人で建物に入った。
映画館で待ち合わせをしていたとコナン君が言っていたから…
恐らく美緒がいるのは3階だろう。
瓦礫の山を越えながらそこに向かって進んだ。