第24章 昼餐
「はい、取れましたよ。」
『…すみません。』
わたしが恥ずかしそうにしていると、
少し離れたところから蘭ちゃんがニヤニヤしながらこちらを見ていて、
コナンくんはイチャつくなら外でしろ!みたいな目で見ていた。
そんなやり取りをしていると、森谷さんの熱弁が聞こえてきた。
彼はなんでも自分でやらないと気が済まない性格で
美しくないと建築ではない、最近の建築家はもった自分の作品に責任を持つべきだ!と語っていた。
その言葉の強さに圧倒されながら聞いていると、
突然だが、レクリエーションの一環としてクイズが出題されることになった。
問題は、3人の男が経営する会社のパソコンのパスワードを当てるものだった。
3人に共通する言葉で、ひらがな5文字が答えだという。
その3人の男のプロフィールが書いてある用紙がパーティーの招待客に配られて、
私と零くんもその用紙を見て一緒に考えた。
「美緒さんは分かりましたか?」
『もちろん!安室さんも分かってるんでしょ?
このクイズ、制限時間3分もいらないよね。』
「…。」
今答えを言いに行って目立つのもなんか嫌だし
小五郎さんの顔を立てて、私達2人は黙って置くことにした。
しかし制限時間が迫ってきても小五郎さんは解けないようで
代わりにコナンくんが答えを言っていた。
問題にあった3人の生まれた年の干支が
猿年、酉年、戌年であり
パスワードは桃太郎だと分かったようだ。
コナン君は周りの人達から拍手をされていて
小五郎さんは悔しそうにしていた。
そしてクイズに正解したご褒美に
コナンくんは付き添いの蘭ちゃんと一緒に森谷さんのギャラリーを見に屋敷内へ入って行った。